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帝国データバンク 

シコー

東証マザーズ上場(6667)、小型モータ

本社:神奈川県大和市中央林間西3-9-6
創立:1974年(昭和49年)6月に創業
2004年8月に東証マザーズに上場
資本金:33億5102万円
代表:白木学社長 従業員59名
2012年8月10日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請
負債総額:約85億945万1823円(2012年7月末時点)

 
2012年8月10日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。 
 
申請代理人は綾克己弁護士ほか5名。監督委員には竹村葉子弁護士が選任。 
 
同社は、1974年(昭和49年)6月に創業、76年(昭和51年)7月に法人改組した各種精密小型モーターの製造販売会社。当社が開発・設計し、製造は中国の子会社が担当している。携帯電話のバイブレーター用の精密小型振動モーターを開発するなど携帯電話向けの受注で業容を拡大、2003年12月期には年売上高約42億2100万円を計上し、翌2004年8月に東証マザーズに上場した。その後は携帯電話カメラのオートフォーカス用リニアモーター用の小型振動モーターで実績を積み上げ、米アップル社のスマートフォン「iPhone」に採用されたことで、2010年12月期には過去最高の年売上高約137億8300万円を計上していた。 
 
しかし、2007年から始めた為替デリバティブがその後の円高進行で評価損が発生、断続的な赤字決算の要因となっていた。2012年12月期の第1四半期決算は販売単価の下落に加え、原料費や中国の人件費の上昇で、売上原価が売上高を上回る売上総損失を計上。「継続企業の前提に関する注記」(ゴーイングコンサーン)がなされたことで、金融機関と締結しているシンジケート・ローンの財務制限条項に抵触し、資金調達環境は厳しさを増していた。資金繰りが悪化するなか、今年6月以降取引先金融機関との間で再生の方針について協議する一方で、スポンサー選定を進めてきたが本日付でミネベア(株)(東証1部)との間でスポンサー契約を締結、同社支援のもと再建を目指すこととなった。 
 負債は2012年7月末時点で約85億945万1823円。 
 
 
引用Business Journal2012.9.03
 
東証マザーズ上場のシコー(神奈川県大和市)である。2012.8月10日、東京地裁に民事再生法を申請した。負債総額は85億945万円。
 
 シコーは携帯電話やスマホに搭載する小型カメラの自動焦点用モーターを手掛ける。同社の製品がアイフォーンに採用されたことで、2010年12月期には過去最高の売上高140億9000万円、営業利益16億6600万円を計上した。
 
 シコーはアップルからの大量受注に備えて、小型モーターを製造する中国・上海工場で大量の労働者を確保した。しかし2011年9月にアップルがスマホをモデルチェンジして仕様を変更した際に、シコーは切られてしまった。労務費が重くのしかかり上海工場での大規模なリストラを迫られた。その結果、11年12月期の売上高は104億5700万円にダウン、最終損益は31億6900万円の赤字に転落。経営破綻に追い込まれた。
 
 シコーの創業者の白木学社長(64)は、開発一筋の人だ。岐阜県のミシン屋の息子である彼は、ラジオを作ったり、壊したりするのが大好きな機械マニアの少年だった。東京理科大学に進むと特許研究部を設立。早稲田、慶應、武蔵工大、明治大学の特許研究部で構成する日本学生アイデア連盟を結成した。
 
 その後69年、大学を卒業すると、伴五紀教授の私設研究所に入り、小型モーターの研究に従事する。74年6月に4人で起業、1976年7月にシコー技研(現シコー)を設立した。シコー技研の社名は、思考に思考を重ねて独創的な製品を開発するという志からきている。このシコー技研という言葉がいたく気にいり、大学3年の時、商標登録したほどだ。
白木氏は、携帯電話のマナーモードの生みの親である。携帯電話で着信音が鳴らないように設定できるのがマナーモード、バイブレーション(振動)で着信を知らせる。白木氏は直径4ミリという超小型振動モーターを1分間に1万回転させることによって、世界で初めて携帯電話のマナーモード機能を実現させた。
 携帯電話のバイブレーター用の小型振動モーターのメーカーとして業容を拡大したシコーは、2004年8月に東証マザーズに上場した。2005年に携帯電話のカメラに搭載し、焦点合わせに使うAFLモーターの低価格化に成功。アップルなどスマホ大手に販売を伸ばした。だが、最近では量産技術やコストで中国・韓国勢に激しく追い上げられていた。
 
 多くの日本国内の電子部品メーカーが、アップルのスマホ向けに部品を供給している。アップルに採用されたことで高成長を誇ったシコーの経営破綻は、チャンスとリスクが紙一重であることを示している。
 
 シコーの事業再生に名乗り挙げたのは、極小ベアリングで世界シェアの6割を占めるミネベアである。M&A(合併・買収)はミネベアのお家芸だ。ミネベアの“中興の祖”と評される故・高橋高見氏がM&Aの先駆けとなった。70年代から80年代にかけて次々とM&Aを仕掛けて「買収王」と謳われた。 高橋氏の死後、鳴りを潜めていた大型のM&Aを復活させたのが、高見氏の娘婿で09年に社長に就任した貝沼由久氏(56)。日本政策投資銀行の協力を得て、大型M&Aに取り組む方針を打ち出した。第1弾が今年5月、韓国の小型精密モーターメーカー、モアテックの買収。第2弾がスマホ向けAFLモーターのシコーだ。シコーは開発と営業に集中し、ミネベアが生産を引き受ける。

 

 

Q&A100 取引先の倒産対応マニュアル
阿部 信一郎

 

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